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扉消し


その後も度々、

屋敷に侵入(というより、連れ去られただけ)すると

イザマーレの眠る時間を見計らい、ベッドに近寄って

種を潰そうと試みるAnye


だが、当然のように返り討ちに遭い、

押し倒され、組み伏せられるAnye


「!!」


魔力で服を剥ぎ取られ、腕を抑え込まれながら

種を握り潰そうとするAnyeを、不敵な笑みで見返すイザマーレ


「そんな事をしても無駄だ。吾輩には効かない。

ヒヨっ子のお前では、奥義も諸刃の剣だ。」


「!……っ///」


見透かされ、震えながら

睨み返すAnyeの口唇を奪い、耳元で囁く


「…試してみるか…?」


そのままAnyeの肌に舌を這わせ、愛撫し始めるイザマーレ

力が抜けていくAnyeの手元から種が零れ落ちていく…





長時間、扉が消え続け、ようやく解放されて廊下に出た時

ラディアと再会を果たしたAnye


ラディアは、悪魔の思惑など何一つ疑う事もなく、

ダンケルを愛しているようだった


「Anye…もうやめたら?過去はどうあれ

今、私は陛下に愛されて幸せなの。大事な親友の愛する相手を

脅かすなんて、迷惑よ。ほんと、非常識なんだから…」


だが、誇らしげに語りかけるラディアから、

イザマーレのエレメンツも、ダンケルのオーラさえも、一切感じられない。


「そう…ラディア、貴女が幸せなら良いの。安心しました。

やはり貴女は純粋で素敵な女性だもの…でも…

私には無理。愛などに縛られるなんて、まっぴら御免だわ」


「…Anye…」


「愛とは…最も美しく、残酷なもの…一時の感情に流され

そんな不確かなものに縋って生きるなど、私には何の興味もない事…

だけどラディア。貴女はどうか、幸せになって。そしたら私、

ほんの少し、愛を信じる気持ちになれるかも…」


圧倒され、言葉に詰まるラディアに微笑み、立ち去るAnye




 
 
 

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