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追いかけっこの代償


その後も、イザマーレが地方公務で訪れるたび

無謀な襲撃を繰り返すAnye


やがて、周囲の低級魔たちも、Anyeの行動に気づき始めた


話しかける度、恐れもせず微笑み

時には争いで傷を負った兵士を

あっという間に治癒させる能力も認知され

Anyeを傀儡とした世界を築く事もできるのではないかと夢想させていく


もちろん、民衆の心に抱く闇に、Anye自身も気づき始める



(…やはり…こうなってしまう…)


それは、これまでも嫌という程味わってきた現象だったのだ


かつて、なんの不満もなく過ごしていたAnyeの元に

天界との時空の狭間から抜け出してきたラディアの傷を癒した


たった、それだけの事だった


目を覚ましたラディアは、何かを錯覚しているようだった

過去の記憶が消え失せ、その場で発生したと信じて疑わず

羽根を持たないAnyeより、

自分こそがその国を君臨するべきだと主張を繰り返す


だがやはり、Anyeの持つ不思議な魅力には敵わず

Anyeをお飾りのシンボルとしてフェアリー国に仕立て上げた

そのうち、中心となって指揮するラディアの周りに

いつの間にか、取り巻く仲間が集まり出し

Anyeの意図などお構いなしに、街中を蹂躙させていく




Anyeの力により保たれていた美しい街並みに酔いしれ

次なる手柄を欲し始めた彼らは、

天界と手を組み、魔界に侵略を企て始めた


そして、彼らはAnyeの前から消え去っていく

彼女に荒れ果てた大地と瓦礫の山を残したまま…







 
 
 

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