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シンボル


寮内を案内されながら、見学して回る一行


建物の中心に、吹き抜けになっている庭があり

渡り廊下を見渡すようにそびえ立つ魔木に思わず目を奪われる


「あれは何の木だろう…」

「うんうん…すごく立派な木だね」

ヒソヒソと話し始めたケイシとアオイ


何となく聞き耳を立てていたリナが枝ぶりや生い茂る葉を眺め

「あれは、梅の木だよ」

と、彼らに伝える


「へえ…リナ、詳しいね」

アオイはそんなリナと手を繋ぎ、改めて魔木を仰ぎ見る


「…なんか、覚えてるというか…お庭にあったから…」

「ん?なんか言った?」

「あ、ううん、何でもなーい(*´艸`*)」


顔を寄せ合い、クスクス笑うアオイとリナ

そんな2魔を見守るように背後に控えるケイシ


一方、ソラは…


「………」

暫くの間、歩みを止めて魔木に宿る何かを感じ取っていた


「あれ、ソラ、どうしたの?」

いつの間にか3魔から離れていたソラに気づいて、リナが声をかける


「あ、ごめんね…何でもないの…」


慌てて笑顔になり、3魔に駆け寄るソラ

だが、何か気がかりな表情で振り返り、魔木を眺めていた




寮内オリエンテーションを終え、食堂に集まりランチタイムとなった


食堂内のキッチンでは大量の梅おにぎりを作るリリエルと

栄養バランス満点のおかずを作るエレジア


「いただきまーす♪」



食事を終えたメンバーから解散となり、割り当てられた部屋へ向かう


だが、ソラは、先程通り過ぎた渡り廊下に行き、魔木を眺め続けていた


(お名前は?…りーちゃま…?リリエルちゃまの…おともだち?)


そっと目を瞑り、まじないを唱えるように呟く

その途端、ソラの思念が身体から抜け出し、魔木の幹に抱きついていた


(…大丈夫…泣かないで…りーちゃま…)






 
 
 

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