丸太小屋
- RICOH RICOH
- 2024年11月17日
- 読了時間: 4分
………
シッターの時間を終え、館を後にするプルーニャとハルミちゃん
リリエルの様子を気にしながら歩いていると
ハルミちゃんがいつもと違う道を進んでいく
辿り着いた先は、市場の近くにある丸太小屋だった
「…あれ、ここって…」
中の様子を窺っているプルーニャを後目に、
ハルミちゃんがスッと中に入って行く
途端に中から女性の声がした
「うわっビックリした(^-^;…ハルミちゃんか。…てことは…」
「やっぱり。プルーニャ様ね。いらっしゃいませ♪」
ハルミちゃんを抱っこしながら丸太小屋の扉を開け、微笑む女性に
驚いて大きな声を出すプルーニャ
「…里好さん………!!」
「ふふっ…どうぞ、中に入ってくださいな。珍しいね。」
「里好さんこそ…ビックリしたわ。
えっ、だってまだ、天寿を迎えられてないですよね?」
「そうなの…だけど、閣下とリリエルのご厚意で…時間内に
人間界と行き来しながら、ここに住まわせてもらってるのよ」
「…そうなんや~…ってか!それなら話は早いです。
ここで会ったが三年目!!里好さん、是非ともご相談があるんですけど…」
「??」
手を握りしめて、鼻息荒く捲し立てるプルーニャに
首を傾げながら、先を促す里好
………
「………そんなわけでしてね。
何かあったんじゃないかと気になってしまって…」
「そうなのね…」
プルーニャの話を聞いて、口元に手をやり、考え始める里好
(…アハハ…そこはリリエル様とホンマにそっくりなんやね…)
里好の仕草に思わず笑顔になり、少し落ち着きを取り戻したプルーニャ
その時だった
「失礼する。里好、入るぞ」
………!!………
聞き間違えるわけない声に、驚いて固まるプルーニャ
「にゃあっ♪」
可愛い鳴き声と共に、駆け寄るハルミちゃん
「あ、閣下。どうぞ、いらっしゃいませ」
里好は慌てて出迎えて、お茶を淹れる
「リリエルのお買い物の付き添いですか?お疲れ様です」
「ああ。ついでに、お前に話したい事があってな…」
纏わりつくハルミちゃんをプルーニャに預け
優雅に座るイザマーレ
「先程、お前たちが話していたとおりだ。
吾輩のせいで、リリエルを傷つけ泣かせた。それで里好に頼みがある。
あいつが元気になって、心から笑顔になれる話を作ってやってくれないか。」
「!閣下…」
イザマーレの言葉にプルーニャは驚く
一方、これまでの会話の端々から、
起きていた事象を脳内で咀嚼していた里好
「閣下…リリエルは…ああ見えて、誰にも心を開かないというか…
そう簡単に惚れ込むタイプではないですから。
閣下の事を思う気持ちだけで、これまで、
幾多の荒波を乗り越えてきたのです。
その事は、お分かりですよね?」
「勿論だ。だが…あいつにその気はなくても
寄ってくる相手は後を絶たない。
時には無償の愛の呪縛に囚われる輩まで頻繁に出てくる。」
「…夫婦揃って、お互い様ですけどね…( ̄∇ ̄;」
ため息がちにツッコミを入れる里好に、プルーニャも頷いていた
「だが。どんな敵キャラだろうが、吾輩が勝利する姿を
お前らも見たいと思わんか?」
ニヤッと不敵の笑みを浮かべるイザマーレ
「「…見たい!!」」
目を丸くし、声を揃える里好とプルーニャ
「今度こそ、リリエルに見限られる隙もないほど
完膚なきまでに勝利してやる。…頼んで良いか?」
その時突然、脳裏に物語が降ってきて、鼻息荒く宣言するプルーニャ
「…でしたら閣下!!考えがあります!!作り上げてもよろしいですか!?」
…
………
…………
「こんにちは~。里好~来たよ~♪お邪魔しまーす(≧▽≦)」
「あ、リリエル。どうぞ~。閣下も待ってるよ」
買い物を終え、にこにこと入ってきたリリエルに
里好が出迎えて、お茶を淹れる
「あれ?プルーニャ様~♪…ん?お揃いで、何の相談?」
そこに居合わせた面子に、聞いておきながら、
気に留めない様子のリリエル
「買い物は済んだのか?リリエル。では、帰ろうな。」
穏やかな表情でリリエルを髪に乗せ、立ち去るイザマーレ
「クス…あんな事仰られてたけど、仲良しじゃない。」
見送った里好は、微笑んでいた
「里好さん…閣下の御要望にお応えできるか分かりませんが、
是非ともやりましょう!!」
頬を紅潮させ、興奮気味なプルーニャに
里好は穏やかに微笑み返す。
「プルーニャ様?もう既に、浮かんでらっしゃるご様子ね。
それを形にしてみては如何…?」
「!…///////」
見透かされた事に驚き、さらに上手くやり遂げれるか
不安もあり、真っ赤になるプルーニャ
「大丈夫。もう、それはすでに始まっているのよ。きっとね…」
「へっ?」
里好の意味深な言葉に首を傾げた時
丸太小屋に新たな訪問客が訪れた
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