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丸太小屋


………


シッターの時間を終え、館を後にするプルーニャとハルミちゃん


リリエルの様子を気にしながら歩いていると

ハルミちゃんがいつもと違う道を進んでいく


辿り着いた先は、市場の近くにある丸太小屋だった


「…あれ、ここって…」


中の様子を窺っているプルーニャを後目に、

ハルミちゃんがスッと中に入って行く



途端に中から女性の声がした


「うわっビックリした(^-^;…ハルミちゃんか。…てことは…」




「やっぱり。プルーニャ様ね。いらっしゃいませ♪」


ハルミちゃんを抱っこしながら丸太小屋の扉を開け、微笑む女性に

驚いて大きな声を出すプルーニャ


「…里好さん………!!」


「ふふっ…どうぞ、中に入ってくださいな。珍しいね。」


「里好さんこそ…ビックリしたわ。

えっ、だってまだ、天寿を迎えられてないですよね?」


「そうなの…だけど、閣下とリリエルのご厚意で…時間内に

人間界と行き来しながら、ここに住まわせてもらってるのよ」


「…そうなんや~…ってか!それなら話は早いです。

ここで会ったが三年目!!里好さん、是非ともご相談があるんですけど…」


「??」


手を握りしめて、鼻息荒く捲し立てるプルーニャに

首を傾げながら、先を促す里好


………


「………そんなわけでしてね。

何かあったんじゃないかと気になってしまって…」


「そうなのね…」


プルーニャの話を聞いて、口元に手をやり、考え始める里好


(…アハハ…そこはリリエル様とホンマにそっくりなんやね…)


里好の仕草に思わず笑顔になり、少し落ち着きを取り戻したプルーニャ




その時だった


「失礼する。里好、入るぞ」


………!!………


聞き間違えるわけない声に、驚いて固まるプルーニャ


「にゃあっ♪」

可愛い鳴き声と共に、駆け寄るハルミちゃん


「あ、閣下。どうぞ、いらっしゃいませ」

里好は慌てて出迎えて、お茶を淹れる


「リリエルのお買い物の付き添いですか?お疲れ様です」


「ああ。ついでに、お前に話したい事があってな…」


纏わりつくハルミちゃんをプルーニャに預け

優雅に座るイザマーレ


「先程、お前たちが話していたとおりだ。

吾輩のせいで、リリエルを傷つけ泣かせた。それで里好に頼みがある。

あいつが元気になって、心から笑顔になれる話を作ってやってくれないか。」


「!閣下…」

イザマーレの言葉にプルーニャは驚く


一方、これまでの会話の端々から、

起きていた事象を脳内で咀嚼していた里好


「閣下…リリエルは…ああ見えて、誰にも心を開かないというか…

そう簡単に惚れ込むタイプではないですから。

閣下の事を思う気持ちだけで、これまで、

幾多の荒波を乗り越えてきたのです。

その事は、お分かりですよね?」




「勿論だ。だが…あいつにその気はなくても

寄ってくる相手は後を絶たない。

時には無償の愛の呪縛に囚われる輩まで頻繁に出てくる。」


「…夫婦揃って、お互い様ですけどね…( ̄∇ ̄;」


ため息がちにツッコミを入れる里好に、プルーニャも頷いていた


「だが。どんな敵キャラだろうが、吾輩が勝利する姿を

お前らも見たいと思わんか?」

ニヤッと不敵の笑みを浮かべるイザマーレ


「「…見たい!!」」

目を丸くし、声を揃える里好とプルーニャ


「今度こそ、リリエルに見限られる隙もないほど

完膚なきまでに勝利してやる。…頼んで良いか?」


その時突然、脳裏に物語が降ってきて、鼻息荒く宣言するプルーニャ


「…でしたら閣下!!考えがあります!!作り上げてもよろしいですか!?」


………

…………


「こんにちは~。里好~来たよ~♪お邪魔しまーす(≧▽≦)」


「あ、リリエル。どうぞ~。閣下も待ってるよ」


買い物を終え、にこにこと入ってきたリリエルに

里好が出迎えて、お茶を淹れる


「あれ?プルーニャ様~♪…ん?お揃いで、何の相談?」

そこに居合わせた面子に、聞いておきながら、

気に留めない様子のリリエル




「買い物は済んだのか?リリエル。では、帰ろうな。」


穏やかな表情でリリエルを髪に乗せ、立ち去るイザマーレ


「クス…あんな事仰られてたけど、仲良しじゃない。」


見送った里好は、微笑んでいた


「里好さん…閣下の御要望にお応えできるか分かりませんが、

是非ともやりましょう!!」


頬を紅潮させ、興奮気味なプルーニャに

里好は穏やかに微笑み返す。


「プルーニャ様?もう既に、浮かんでらっしゃるご様子ね。

それを形にしてみては如何…?」


「!…///////」


見透かされた事に驚き、さらに上手くやり遂げれるか

不安もあり、真っ赤になるプルーニャ


「大丈夫。もう、それはすでに始まっているのよ。きっとね…」


「へっ?」


里好の意味深な言葉に首を傾げた時

丸太小屋に新たな訪問客が訪れた




 
 
 

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