事の真相
- RICOH RICOH
- 2024年10月28日
- 読了時間: 2分
ほどなくして、ウエスターレンが煙草の出処、
その背景を徹底的に調べ上げた。その結果、
ある魔女、そして悪魔貴族ミャマ公爵の姿が見えてきた
魔女の名前はルチカ。
人間界に降り立ち、人間の男性に夢を見せ、
意のままに操る術に長けた、サキュバス系だ
人間界で最高魔軍のライブ映像を一目見て
バサラに恋心を抱いた
自分より遥かに身分が高く、イザマーレ族の中でも
流麗な出で立ちのバサラに一目惚れしたのだ
だが、低級魔女でしかない自分は声をかけるどころか
存在すらも認識してもらえないにも関わらず、
王都の特殊コミュニティである「プエブロドラド」に居た
人間あがりの女を格別に可愛がり
妻として迎え入れた事も調べ上げた
イザマーレ族のバサラには、作用するはずのない記憶操作の呪も
人間のバナトラなら面白いように操れるに違いない
バサラの邸宅の周りを何度もうろつき、その機会をうかがうが
何故か、バナトラの夢に入ることができない
バサラの妻という立場に加え、
副大魔王であるイザマーレの保護下にあるバナトラは
常日頃から強力な結界が施されているのだから、当然だ
そうとも知らず、失敗を繰り返し、歯痒さに苛立つルチカ
そんな彼女の元に忍び寄る、もう一つの野心
―ミャマ公爵―
かつてエマ事件で処刑された
ヴィオラ侯爵と並ぶ名門で知られた貴族悪魔が
ルチカの恋心につけ込み、操る事で
イザマーレ族、さらに王家崩壊を目論んだのだ
(どちらにしても、筋書きの悪いシナリオだ。
そんな物で本気で我々に歯向かえると思えるところが
いかにも腑抜けの貴族らしい発想だな)
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