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事の真相


ほどなくして、ウエスターレンが煙草の出処、

その背景を徹底的に調べ上げた。その結果、

ある魔女、そして悪魔貴族ミャマ公爵の姿が見えてきた

魔女の名前はルチカ。

人間界に降り立ち、人間の男性に夢を見せ、

意のままに操る術に長けた、サキュバス系だ


人間界で最高魔軍のライブ映像を一目見て

バサラに恋心を抱いた


自分より遥かに身分が高く、イザマーレ族の中でも

流麗な出で立ちのバサラに一目惚れしたのだ




だが、低級魔女でしかない自分は声をかけるどころか

存在すらも認識してもらえないにも関わらず、

王都の特殊コミュニティである「プエブロドラド」に居た

人間あがりの女を格別に可愛がり

妻として迎え入れた事も調べ上げた


イザマーレ族のバサラには、作用するはずのない記憶操作の呪も

人間のバナトラなら面白いように操れるに違いない

バサラの邸宅の周りを何度もうろつき、その機会をうかがうが

何故か、バナトラの夢に入ることができない


バサラの妻という立場に加え、

副大魔王であるイザマーレの保護下にあるバナトラは

常日頃から強力な結界が施されているのだから、当然だ


そうとも知らず、失敗を繰り返し、歯痒さに苛立つルチカ


そんな彼女の元に忍び寄る、もう一つの野心


―ミャマ公爵―


かつてエマ事件で処刑された

ヴィオラ侯爵と並ぶ名門で知られた貴族悪魔が

ルチカの恋心につけ込み、操る事で

イザマーレ族、さらに王家崩壊を目論んだのだ


(どちらにしても、筋書きの悪いシナリオだ。

そんな物で本気で我々に歯向かえると思えるところが

いかにも腑抜けの貴族らしい発想だな)




 
 
 

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