動き出す
- RICOH RICOH
- 2024年11月25日
- 読了時間: 2分
数日後
魔界の、とある場所に生じたオーラを感知したイザマーレ
(…いよいよだな♪)
動き出したAnyeのオーラに、静かにほくそ笑む
その瞬間を楽しみに待ちわびるイザマーレ
だが、いつまで経っても一向に姿を現さないAnye
痺れを切らし、情報局部屋を訪れ、プンスカと苛立ちを露にする
「吾輩を待たせ、放置するとは何事だ!!
ウエスターレン、この場所を映し出せ!!」
そう言いながら、経度・緯度を書き記したメモを手渡す
「ピンポイントで把握してるなら、
まどろっこしい事をせず、直接向かえばいいものを…(笑)」
「聞こえないな。何か言ったか?」
笑いを堪え、突っ込んでくるウエスターレンにも、こんな有様だ
「はいはい…仕方ねえなあ…こいつか。お前が執着する女は♪」
邪眼を開き、映し出した映像は、魔界の北
いくつもの溝に囲まれた、おもちゃ箱のような集落だ
何とか魔界に入り込むまでは良かったが、右も左も分からず
迷子になっているところを低級魔に見つかり
小さなボロアパートの一間を仮の宿として宛がわれ
何故か、周囲の悪魔からも慕われているAnyeの様子…
朗らかに笑顔を振りまきながら、ふとした瞬間、手元をさぐり
静かに一点を見つめるまなざし
光を宿す瞳に吸い寄せられる
「…なるほどな。大層な相手にお前は心底憎まれ
命を狙われてるってわけか♪難儀な事だな(笑)」
「そうだ。ウエスターレン、こいつに関しては治外法権だ。
決して手を出すなよ?」
心底、楽しそうに笑みを浮かべるイザマーレに
目を細めて紫煙を燻らせるウエスターレン
「お前、随分楽しそうだな?」
「こいつの瞳を見たか?どんな状況でも失わない光…
吾輩以外に、そんな偽りの光を宿すとは…許すまじき行為だろ。
根本から灸をすえ、分からせてやらんとな♪」
ニヤッと不敵な笑みを浮かべるイザマーレ
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