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動き出す


数日後


魔界の、とある場所に生じたオーラを感知したイザマーレ


(…いよいよだな♪)


動き出したAnyeのオーラに、静かにほくそ笑む


その瞬間を楽しみに待ちわびるイザマーレ

だが、いつまで経っても一向に姿を現さないAnye


痺れを切らし、情報局部屋を訪れ、プンスカと苛立ちを露にする


「吾輩を待たせ、放置するとは何事だ!!

ウエスターレン、この場所を映し出せ!!」


そう言いながら、経度・緯度を書き記したメモを手渡す




「ピンポイントで把握してるなら、

まどろっこしい事をせず、直接向かえばいいものを…(笑)」


「聞こえないな。何か言ったか?」


笑いを堪え、突っ込んでくるウエスターレンにも、こんな有様だ


「はいはい…仕方ねえなあ…こいつか。お前が執着する女は♪」


邪眼を開き、映し出した映像は、魔界の北

いくつもの溝に囲まれた、おもちゃ箱のような集落だ

何とか魔界に入り込むまでは良かったが、右も左も分からず

迷子になっているところを低級魔に見つかり

小さなボロアパートの一間を仮の宿として宛がわれ

何故か、周囲の悪魔からも慕われているAnyeの様子…


朗らかに笑顔を振りまきながら、ふとした瞬間、手元をさぐり

静かに一点を見つめるまなざし

光を宿す瞳に吸い寄せられる


「…なるほどな。大層な相手にお前は心底憎まれ

命を狙われてるってわけか♪難儀な事だな(笑)」


「そうだ。ウエスターレン、こいつに関しては治外法権だ。

決して手を出すなよ?」


心底、楽しそうに笑みを浮かべるイザマーレに

目を細めて紫煙を燻らせるウエスターレン


「お前、随分楽しそうだな?」


「こいつの瞳を見たか?どんな状況でも失わない光…

吾輩以外に、そんな偽りの光を宿すとは…許すまじき行為だろ。

根本から灸をすえ、分からせてやらんとな♪」

ニヤッと不敵な笑みを浮かべるイザマーレ




 
 
 

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