午後3時
- RICOH RICOH
- 2024年11月18日
- 読了時間: 4分
時刻は午後3時
ハルミちゃんとお散歩しながら、屋敷の前を通りかかるプルーニャ
「そや。ちょうど今くらいなら、リリエル様にもお会いできる頃やろ」
何度も通い詰めているプルーニャは、家事や扉を消す時間を避け
リリエルに迷惑にならない絶妙な時間帯を把握しているのだ
屋敷の門扉に向かうと、ちょうど訪れていたリリアと出くわした
「あら!リリアさん!!偶然やね。リリエル様に用事?」
「プルーニャ様!! ええ、ちょっと秘密裏に呼び出されまして…」
「そうなんや…私が居たらお邪魔かな?」
「大丈夫じゃないかしら…一緒に行きましょうよ!」
そんな会話をしながら扉を叩くと、
いつものようにリリエルが出迎えてくれた
「いらっしゃい。リリア様、プルーニャ様も♪どうぞ、中に入って♪」
リビングに向かうと、ウエスターレンが紫煙を燻らせていた
「あ、長官!! お邪魔しま~す」
「ちょうど良いタイミングだったな。
プルーニャにも声をかけようと思ったんだが
お前の事だ。どうせこの時間に姿を見せるだろうと思ってな(笑)」
「そうだったんや! なにかあったんですか?」
驚きながらソファに腰かけるプルーニャとリリア
リリエルが淹れてくれたお茶を飲んでいると、
吹き抜けになってる天井に見た事のない部屋が出来ている
「???あれ…お部屋を新しくされたんですか?」
プルーニャの素朴な疑問に、リリエルは微笑む
「あれは、魔法のお部屋よ。扉が開くまで、
もう少しかかりそうかな(*´艸`*)」
ちょうどその時、3階の部屋の扉が開き
中から真っ赤な顔をしたムーランが姿を現した
「「//////」」
呆気に取られている2人の前に、イザマーレが優雅に姿を現し
リリエルが嬉しそうに差し出すお茶を受け取り、ご機嫌に髪を撫でている
「失礼します。閣下、長官…お待たせしました」
そこに新たに姿を現した人物………裕子だった
「うむ。ご苦労だったな。どうだった?」
「頼まれた通り、その場所近辺で写真を撮ってきました。
これで大丈夫なのか…分からないのですが…」
画像を収めたスマホを差し出す裕子
「問題ない。ありがとな」
そう言いながら、画像から読み取れるオーラを感じ取るイザマーレ
さらに、ウエスターレンも鋭い目で見つめ、確信する
お互いに目配せし合う2魔
「なるほど…やはり、そういう事だったか」
プエブロドラドの一時入村を志願してきた鈴音の調査を簡単に行った際
その主な理由が『リリエルに会いたい』だったことから
ダイヤを通じてすぐにでも屋敷に来るだろう…
そう見越していたが、一向に訪れる気配がない
だが、ダイヤと接触したことは間違いないことは
ここ数日内、館に出入りしているダイヤを見ているだけで
十分に分かる事だった
何度も言うが、生身の人間が魔界に滞在できる時間は限られている
館で繰り広げられる会話を、それとなく確認していた3魔だが
リリエルの記憶を辿っても、明確に思い出せるものではなかった
数多の信者が集うミサ会場で、リリエルに話しかける人物は少なくないのだ
それでも、鈴音と交わした会話は覚えていた
分からなかったのは、終演後、そんな彼女に悪影響を与えた人物たちが
誰だったのか…
そこで、裕子が人間界に帰る時間を利用して、会場となった現地に向かわせ
ミサ終演後にリリエルが通り過ぎた個所を画像で収めてくるように頼んだのだ
答え合わせは簡単にできた
犯人となった人物たちは、随分前に処罰され人間界に放逐された者
それから、未だにプエブロドラド入りを果たせずにいるゼリアなど
問題児と認定されている者ばかりだった
「その者たちの毒に惑わされながらも、教典に触れて
踏みとどまろうとした心意気を、我々は評価してやりたい。
せっかくの出会いだもんな」
イザマーレの言葉に、異を唱える者は誰もいない
「今回は残念ながら、あまり時間が残されていない。
だが、次の機会は訪れるだろう。リリア、人間界に戻した後
こいつを見守ってやってくれないか。」
「! 畏まりました!!」
「ついでに、お前の旦那にも会ってこい。分かったな」
ニヤッと笑うイザマーレに、リリアは苦笑する
「プルーニャ。次に信者村に来る機会があったら、それとなく
誘導してやってくれ。心配は要らないから、
リリエルの所に会いに来い、とな」
「了解です!!お任せください♪」
「それから…」
やや、ため息をついて続けるイザマーレ
「今夜はソラの館で食事会を開く。バサラも招待するから
お前たちも参加して構わない。花蓮とダイヤにも伝えてやってくれるか?」
「!!!…はい♪♪」
一斉に返事をする3名
そんなイザマーレに嬉しそうに微笑むリリエル…
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