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煙の呪い


スプネリアの顔から血の気が引き、小刻みに痙攣を繰り返す

ラァードルが懸命に呼びかけるも反応がない


スプネリアの身体の中に入り込んだ紫煙を取り除くため

除去とヒーリング魔法を全身にかけていくベルデ


そこへ、騒ぎを聞きつけたイザマーレ達3魔も駆けつけた


「ラァードル、大丈夫か?ベルデ、診せてみろ」

「スプネリア様…!!大丈夫よ。安心してね!!!」

「雷神帝と風神帝には、連絡してあるからな!!」


4魔のオーラがスプネリアの身体を包み込む

徐々に痙攣も治まり顔色も赤みを徐々に増してきた

やがて、スプネリアの中に入っていた紫煙は除去出来た


「…後は意識が戻れば大丈夫だよ」


ベルデの言葉にホッとして、

スプネリアをゆっくりと抱き上げ、

寝室のベッドに寝かせるラァードル


「殿下、少し休んでは?スプネリア様は私が見てますよ?」


「リリエルちゃん、ありがとう。

でも、スプネリアが目覚めたら1番に謝りたいから……」


「…分かりました。では私たちは、あちらで控えておりますね」


ラァードルに微笑みかけ、リリエルはリビングに戻っていく





「リリエル、どんな様子だ?ラァードルは?」

隣に座らせ、問いかけるイザマーレ


「かなりショックだったと思います

ずっと 『吾輩が悪かったから』って……」


「人間界の煙草とは違うからな。処理法も異なる。

まず、俺たち悪魔の嗜好品に人間が触れる事はそう無いからな」


そこにベルデが事の発端となった煙草の残りを手にして戻ってきた


「ウエスターレン、ちょっといいかな。気になる事があってね

この煙草から若干呪いの気配を感じるんだよね…

じゃないと大量の紫煙が噴き出す事はないんだよ

処理法が間違っていても、こうはならない筈なんだ」


「!!まさか、ラァードル狙いなわけなかろう?

いくらなんでも…魑魅魍魎が跋扈する魔界とはいえ、

ラァードルは雷神界からの預かりの立場だ。

下手したら、戦争にもなりかねない。

それくらいの計算もできない低級悪魔が絡んでいるのか…」


ベルデの話に、瞬時に些細な事故から最悪なパターンまで想定し

その結末を見定めるイザマーレ


ベルデから煙草を受け取ったウエスターレン

「誰が何の為にやったのか調べるしかないな」

すぐさま瞬間移動で立ち去った


暫くして突然ラァードルの叫び声がする


慌てて駆けつけてみると


「スプネリアが目覚めたんだけど、様子がおかしいというか

今までの記憶が無いみたいで……吾輩の顔見て『……誰?』って……」


落ち込むラァードル……




 
 
 

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