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秋の窓辺


天界―


雑多な職務を捌き、宮殿の私室で寛ぐ大天使


ある事件の際に生じた壁の亀裂は

今もそのままの姿で己に言い聞かせてくる


喉を潤しながら、窓辺に立ち

カーテン越しに眺める


色とりどりのコスモスが辺りを埋め尽くすように

咲き誇っている


……あれから数ヶ月


乗り越えた苦難と、変わる事のない想いを胸に秘め

静かに微笑む


何かの折に出会う度、彼らはいつも変わらず

気さくに接してくれる


「……忘れろという方が無理だよな

ほんと、正真正銘、悪魔な奴らめ………♪」



……

「ミカエル。魔界の奴らが再び、我らの意向に歯向かい

黒ミサを企ててるらしいな。分かっておるだろうな⁉️」


何重にも上塗りした欺瞞の塊、ゼウスが

相も変わらず命じてくる


「……はいはい。」


力関係では、圧倒的に逆転している今

ゼウスに従う理由などないのだが、魔界の奴らと

公然と接触できる機会を逃す手はない。


「……手始めに、挨拶に行ってやるか」




 
 
 

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