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副大魔王の煩い


魔界―


屋敷では、いつものように夜を迎え

何ら変わらない日常の風景が繰り広げられている


「…ん…んふっ…」

「…リリエル…」


来るべき、最高魔軍の黒ミサツアーに備え

いつも以上に鍛え抜かれた逞しい胸板と力強い腕に抱かれ

最高潮に達したまま、その波に溺れ続ける


「…ん…はあっ…」


「…気持ち良いか?リリエル…」


「んっ…は、はい…閣下…あの…///////」


息も絶え絶えになりながら、意識を飛ばすギリギリの狭間で

自分を呼ぶ愛しい女の声に、乱れた髪を整えてやりながら

一糸纏わぬ肌を抱き寄せ、その先を促す


「…どうした…?」




恥ずかしそうに顔を赤く染め、俯きがちに見つめるリリエル

「///あの…よろしいのですか?最高魔軍の活動が

本格的に始動する今もこのように…あ、あの…///////」


日頃、どんな些細な事においても決して気を抜かず

全身全霊で職務を遂行する副大魔王


最高魔軍の活動にあたっては、それ以上に捨て身の覚悟で臨む

禁欲生活を課すのは、現役時代からの習わしだ

美しい最後を飾る、その瞬間のためだけに…




現に、16年ぶりの復活に沸くウエスターレンとも

寝室で共に過ごしながらも、その扉が消えなくなって数日経つ


それなのに…

夜、リリエルの部屋で繰り広げられる光景は

いつまで経っても変わる気配がないのだ


「ふっ 心配するな。ストレスを抱え込まない為にも

今はまだ、お前との時間を制限するつもりはない。

ウエスターレンとだって、扉こそ消さないが…」


静かに微笑みながら、少し照れたように見えるイザマーレ

ウエスターレンとも、しっかり愛を育んでいる事を確信して

ようやく安心したように微笑むリリエル


「ほら…分かったら、もっとお前の声を聞かせろ…」


リリエルの腕を自身の首に巻きつかせ、その肌に舌を這わせる

すぐに吐息を漏らし、啼き始めるリリエル


愛の営みは、いつもどおり夜通し繰り返される…





朝―


相変わらず、執務室で半端ない量の職務を捌き

寝室でウエスターレンと寄り添うひと時


やや、ため息がちに頭を抱えるイザマーレ


「どうした、イザマーレ。やはりまだ、踏ん切りが付かないのか?」


「////」


昨晩はリリエルに、あのように告げたものの

最高魔軍の活動は、生半可な覚悟で出来るものではなく

間もなく禁欲生活に突入しなければならない事は明白だ


そうじゃなくても、毎ステージごとに体力を使い果たすだろう

そう考えると、いつも通りとはいかない夜も増えるはずだ


いつ、その事を伝えるべきか…

伝えたところで、いつもの様に笑顔で

「かしこまりました💕」などと、何の不満もなく

承諾されても、それはそれで面白くないし

言わないまま、寂しい思いをさせるのも……


そんな惑いの中、ベッドを共にすれば

やはり愛しさに抗えず、つい、いつもの様に可愛がってしまう……


今までにはなかった障壁にぶち当たり

珍しく、ウダウダと思い煩う副大魔王だった




 
 
 

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