副大魔王の煩い
- RICOH RICOH
- 2024年10月29日
- 読了時間: 3分
魔界―
屋敷では、いつものように夜を迎え
何ら変わらない日常の風景が繰り広げられている
「…ん…んふっ…」
「…リリエル…」
来るべき、最高魔軍の黒ミサツアーに備え
いつも以上に鍛え抜かれた逞しい胸板と力強い腕に抱かれ
最高潮に達したまま、その波に溺れ続ける
「…ん…はあっ…」
「…気持ち良いか?リリエル…」
「んっ…は、はい…閣下…あの…///////」
息も絶え絶えになりながら、意識を飛ばすギリギリの狭間で
自分を呼ぶ愛しい女の声に、乱れた髪を整えてやりながら
一糸纏わぬ肌を抱き寄せ、その先を促す
「…どうした…?」
恥ずかしそうに顔を赤く染め、俯きがちに見つめるリリエル
「///あの…よろしいのですか?最高魔軍の活動が
本格的に始動する今もこのように…あ、あの…///////」
日頃、どんな些細な事においても決して気を抜かず
全身全霊で職務を遂行する副大魔王
最高魔軍の活動にあたっては、それ以上に捨て身の覚悟で臨む
禁欲生活を課すのは、現役時代からの習わしだ
美しい最後を飾る、その瞬間のためだけに…
現に、16年ぶりの復活に沸くウエスターレンとも
寝室で共に過ごしながらも、その扉が消えなくなって数日経つ
それなのに…
夜、リリエルの部屋で繰り広げられる光景は
いつまで経っても変わる気配がないのだ
「ふっ 心配するな。ストレスを抱え込まない為にも
今はまだ、お前との時間を制限するつもりはない。
ウエスターレンとだって、扉こそ消さないが…」
静かに微笑みながら、少し照れたように見えるイザマーレ
ウエスターレンとも、しっかり愛を育んでいる事を確信して
ようやく安心したように微笑むリリエル
「ほら…分かったら、もっとお前の声を聞かせろ…」
リリエルの腕を自身の首に巻きつかせ、その肌に舌を這わせる
すぐに吐息を漏らし、啼き始めるリリエル
愛の営みは、いつもどおり夜通し繰り返される…
朝―
相変わらず、執務室で半端ない量の職務を捌き
寝室でウエスターレンと寄り添うひと時
やや、ため息がちに頭を抱えるイザマーレ
「どうした、イザマーレ。やはりまだ、踏ん切りが付かないのか?」
「////」
昨晩はリリエルに、あのように告げたものの
最高魔軍の活動は、生半可な覚悟で出来るものではなく
間もなく禁欲生活に突入しなければならない事は明白だ
そうじゃなくても、毎ステージごとに体力を使い果たすだろう
そう考えると、いつも通りとはいかない夜も増えるはずだ
いつ、その事を伝えるべきか…
伝えたところで、いつもの様に笑顔で
「かしこまりました💕」などと、何の不満もなく
承諾されても、それはそれで面白くないし
言わないまま、寂しい思いをさせるのも……
そんな惑いの中、ベッドを共にすれば
やはり愛しさに抗えず、つい、いつもの様に可愛がってしまう……
今までにはなかった障壁にぶち当たり
珍しく、ウダウダと思い煩う副大魔王だった
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