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花の決壊


「…リリエル?」


「申し訳ありません、閣下…肝心なところで

ご迷惑ばかりで閣下のお役にも立てず……」


「…リリエル…」


泣き続けるリリエルを抱きしめようとするが

リリエルは震える手でイザマーレを拒んだ


「!……リリエル?」


「…それに…っ…

私はやはり、閣下に愛される資格がないのです」


震えながら話すリリエルの言葉に衝撃を受けるイザマーレ。




「リリエル!何を言うのだ!!」


「…ずっと、思っていました。

閣下のお傍で愛し続けたかったであろう

Lilyel様のお気持ちを考えたら……

私が閣下のお傍に居続けることも

心苦しく思っておりました…

せめて、閣下が本当に愛していたLilyel様に、

少しでも近づけるよう努力してまいりました…」


「……」


「でもっ…ミカエル様に

ひとつも心を開くことができない

天界の恐怖も抗えない私は、

やはり、Lilyel様にはなりきれません。

それでも、閣下のお傍にいたくて……

我儘でした。お許しください……」


泣きじゃくるリリエルだった





初めて、正直な思いを吐露したリリエルに

イザマーレは穏やかに見つめ返す。


「リリエル、それが、お前がずっと隠し続けていた

悩みだったんだな?心配する必要などない。

今日のお前も、よく頑張った。

まずは休め。ずっと傍にいるから…」


泣き続けるリリエルに口唇を重ね、眠らせた……






 
 
 

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