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BlossomDream~忘却のまぼろし~


天界や魔界の時空に挟まれている

一面綺麗な花が果てしなく咲き続く園、魂の行き着く所…

やがて魂は目を覚まし、次に向かう

その際、過去の記憶を消し新たな命に生まれ変わらせる。

その役割を担うのが穢れ…Killはその為に存在するエネルギー体だ。


ここに何故か魂ではなく生身の綺麗な女性が眠っている

だが…どう見ても穏やかな眠りではなさそう…

記憶を消されることを拒み、強く抗う想いが伝わってくる。

他の穢れでは手に負えず、ゼウスから指名され

この場所にやってきたのだ。

Killは同じ仲間は人型の形として見えるが…

この場所では形さえ見えない存在になっている。


Killは女性の周りをフワフワと飛び、様子を伺う

そして自分の穢れを埋め込む為に女性を包もうとした時だった。





一面に広がる花々がざわつき始めた

目の前に姿を現した魔界の大魔王…

一瞬Killは少し離れて見つめていた。

自分の姿など大魔王にも見える訳もない。

空気と同じ存在なのだが…

何故か目が離せなくなっていた


冷徹な顔をしながらも

女性を見つめ、何かを思い詰めているようだ。

吸い込まれそうなダークブルーの瞳…

伏せ目がちに女性を見つめている

結界も張っているのだろう…全く心が読み取れなかった


…ま、読み取らなくっても…別に問題はない…

自分の任務を果たすだけ。


そう思った刹那、大魔王が何かを感じ

Killと目が合ったように見えた

あまりの美しさに驚き固まった…。


再び大魔王は女性を見つめ、やがて姿を消した


この花園に眠る女性に大魔王が足を運び会いにくるとは…

相当な方だったのだろう…どんな過去を背負い、人型のまま

眠りについたのだろう…Killは女性の魂に触れて目を閉じた





…まさか…こんな出来事があったとは…

元々感情すら持っていなかったKill

胸が締め付けられる想いが溢れ、初めて涙を流す


天界での公開処刑…それでも心に宿す光を失わない


魂を取り出す事さえ、出来ずにいたゼウスにより

見せつけるように人型のまま、送り付けられたのだと…






 
 
 

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