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~interval~


魔界高等学校へリリア、ムーランと共に留学中のスプネリア

初めての舞踏会から数日後

学校の中にある図書スペースで、自然界の事を理解する為に

色々な書物を読み込んでいた


「……ふう、あちらの学校でも色々読んでみたけど、なかなか難しいわ💦

頭で自然界の事理解しろっていう方が無理なのかな……?!」


んーと背伸びをしていると、不意に覗き込んできた者がいた


「何が無理なのかな?」


「え……?! はっ……?! ラ、ラ、ラ……で、で、殿下……!!」


ガダガダガッターン!!!


驚きのあまり椅子ごとひっくり返ってしまうスプネリア

恥ずかしさのあまり動けなくなっていると


「ご、ごめん!! そんなに驚くとは思ってなかった!! 大丈夫かな!?

怪我ないかい!?」


「あいたた……

だ、大丈夫……です…… すみません……」


スプネリアの手を取り抱き起こすラァードル

顔を真っ赤にして俯いているスプネリアに声掛けてく


「本当にごめんね!! でも怪我無くて良かったよ

君、この前の舞踏会の時にいた留学生の子だよね?

えっと……確かスプネリアちゃんだったっけ?」


「……そ、そうです」




「席が少し離れてたから話す機会無かったけど

改めてよろしく!」


「は、はい、こちらこそよろしくお願いします……////」


若いラァードルを目の当たりにしてボーとしてしまう


「で、何が無理なの?」


「あ、えっと…… こちらの自然と私達の世界の自然が

何が違うのかが知りたいと思って調べていたんですが、

違いがよく判らなくて……」


「そういう事ね!それなら部屋に籠って書物を読んでいるより、

外に出てみれば良いんだよ」


「で、でも、ダイヤ先生とプルーニャ先生から

学園内って言っても何があるか判らないから

出歩かない様にって言われてて……」


「そっかー それなら仕方が無い……なんて事は吾輩は言わないよ

それなら、サムちゃんから許可貰って外行こうよ!

吾輩と一緒なら大丈夫だと思うから、片付けちゃって行こう!!」


「ェェエェェエェエェΣ(‘A`ノ)ノエェェエェェエ 」


狼狽えている間にあっという間に書物を片付けてしまい、

図書スペースを後にして、生徒会室に向かうラァードルに手を引かれ

連れて行かれるスプネリアだった




生徒会室に着くと、

顔を真っ赤にしてプンスカしながらAnyeが出て来た


「あれ、Anyeちゃん。サムちゃん中に居るかな?」


「!…///あ、はい…な、中にいらっしゃいます……💦」

それだけ言うと、走り去ってしまった


呆気に取られながらAnyeの後ろ姿を見送っていると

すぐイザマーレが扉越しに声を掛けてきた


「誰かと思ったらラァードルと留学生か。どうしたんだ?

もうすぐ午後の講義が始まる時間だろ?」


「何かあったの?Anyeちゃん、様子が変だったけど」


「(笑)あいつは言霊が効かないからな。

紋章をつけてやろうとしたんだが、赤い刻印になっただけだな」


「…赤い刻印…… それって……ゴニョゴニョ…

( ゚∀ ゚)ハッ! Anye様が心配なので、私も戻ります!」


お辞儀をしてAnyeの後を追い掛けるように走り出したスプネリア


2魔を見送り、生徒会室の中に入る


「……で、ラァードル。どうした?なにかあったのか?」


「うん、少し、あの留学生の彼女と話したんだけど

あの子の外出許可貰えないかなって思ってね」


「ほう……珍しいな。ラァードルが他の者に興味持つなんてな」




「ほ、ほら、吾輩も一応留学生の立場じゃない?!

図書スペースで本読むのも良いけどさ、こちらの世界の事を肌で

感じ取って貰う方が良い様な気がしてさ……///」


「それで、ラァードルが案内役をするって事か?」


「うん、案内って言っても、サムちゃん達に教えて貰った場所を

巡る位しか出来ないだろうけどさ……」


「学園内では私的な付き合いは禁止だし、1魔だけ許可するのもな……」


ソファテーブルに広げたままの書類

Anyeが持って来た校内パンフレットの過去ログなどを片付けて

腕を組み、思案顔になるイザマーレ


そこへ、扉をノックする音


「話は聞かせて貰ったよ

それなら、ラァードルだけでなく僕達も一緒に留学生達を案内したらどうかな?

僕のいる文化局の森ならピクニック気分でこちらの自然を

満喫出来ると思うけど?」


沢山の画像を抱えたベルデが入って来て、のんびりと提案する


「ここにとっておきの写真もあるけど、どうする?

イザマーレ、欲しいよね~?」

ベルデが数枚の画像を手に、にんまりと笑う


「…Σ( ̄ロ ̄lll)」


ログハウスの中で、緑色のワンピース姿で微笑むAnye

浴槽にゆったりと浸かるAnyeの…入浴シーンetc


思わず手に取り、会長デスクに仕舞い込む




「し…仕方ないな。留学生達も、もうすぐ元の世界に帰るしな

文化の森ピクニックは良い案だと思うぞ?

Anyeに言えば上手く誘ってくれるだろう

準備はラァードルとベルデでやればいいんじゃないか?」


咳ばらいをしながら、快諾するイザマーレ


「りょーかい! と、いう事でベルデ協力お願いしまーす!」


「はいはい、まずはAnyeちゃんにお願いしないとね

引率の先生達もお誘いしないといけないね」


というわけで、ラァードルとベルデによるピクニック計画がスタートした




 
 
 

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