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仮面の悪戯猫’s


穏やかな朝のひと時を終え、列車は終着駅に辿り着いた


リエリーヌと一緒にタラップに降り立ったカッカトム

「気をつけ」の姿勢でお見送りをするハルミちゃんに、

自身の象徴とも言える仮面を手渡し、ニヤッと笑う


「にゃう♪セルンシャンと半分こで出来るにゃ♪」

ウキウキと嬉しそうなハルミちゃん


「カッカトムみたいに、カッコよくやるにゃ(≧∇≦)」


ワクワクしながら駆け出していくハルミちゃんを見届けた後、

カッカトムはリエリーヌを抱き寄せ、

先を行くイザマージェリーとリエリーザに誘導されながら、

豪邸屋敷に辿り着く


「我々は、一足先にここで待とう。リエリーヌ、おいで」

「…はい。カッカトム様…」





列車が過ぎ去り、賑やかな街並み

月はいつの間にか、陽の光に変わっていた


柔らかな光の下で、抱き合ったまま

静かに眠るイザマレオールとリエシラバブ


行き交う猫たちは皆、一日の始まりを喜び、希望に満ちていた


そこへ突然、閃光が轟き、

カッカトムのお面をつけたハルマキャ子とセルヴィティが

揃って両手を広げ「がお~!!グハハハハ~!!」と高笑いをする


魔猫たちは驚き、物陰に隠れるが、2猫の姿を見た瞬間

可愛さに悶え、腹を抱えて爆笑する


「むむ?! カッコいいと言って欲しいにゃ!!

セルニャン、やったれ!!とちゅげきにゃ~」



愛猫ハルマキャ子からの可愛いおねだりに応え、

セルヴィティは長い鞭で天上に飾られたシャンデリアを叩き落とす


爆笑は途端に悲痛な叫び声に変わる


割れたシャンデリアの餌食になったのは…

先程まで静かに眠り込んでいたイザマレオール

…だったはず…


青ざめた顔で被害現場を覗き始める猫たち

だが、どんなに目を凝らしてみても、彼の姿は何処にもない

口々に騒ぎ始める猫たち…


「ねえ…イザマレオール様は何処?」

「それに…リエシラバブちゃんは…?!」





シャンデリアの割れた音で目を覚ました2猫

イザマレオールはすかさずリエシラバブを庇い、盾になる

駆けつけたリエドルボーンとサムパラガスが

イザマレオールを異次元空間へ瞬間移動させる

リエシラバブを抱きかかえ、

シャンデリアの餌食にならないよう、飛び退いた2猫

その拍子に湖に身を投げ出され、海の藻屑のように絡み合い

沈んで行った…


静かに見届けていたエストラップの録画機で、

その全てを知った瞬間、町中が悲しみに沈んでいく


やり過ぎたと焦ったセルヴィティとハルマキャ子

「そ、そうだ…こんな時は、あいつに頼もう!」


呼ばれて姿を見せたラァーフェリーズに、

セルヴィティは必死に頼み込む


「ごめん、ラァーフェリーズ…助けてくれ。このままじゃ

多分、普段はとても優しいリエシラバブが豹変しちゃう…💦💦」


「うん、分かった。とにかく、出来る限りの事はするから」


状況を見た瞬間、ラァーフェリーズは飄々と応え

殿下の宝刀ともいえるドラムを打ち鳴らし

旋風を巻き起こそうとし始めた




その頃…


中途半端な魔法で、異次元空間に投げ出されたイザマレオールは

周囲の壁に阻まれてしまった


湖に投げ出されたサムパラガスとリエドルボーンを助けようと

物凄い勢いで探し回るリエシラバブ



湖の中で目を覚ましたサムパラガスがリエドルボーンを抱き寄せ

陸に上がり、王子のキスでエナジーを吸入し事なきを得た


まんまと2猫を見失い、迷子になって溺れてしまうリエシラバブ


愛猫リエシラバブの危機を察知したイザマレオール

途轍もないオーラを解き放ち、

自らの魔力で異次元空間の壁を打ち破り

気を失う寸前のリエシラバブを救い出す


ハラハラと青ざめながら、遠巻きに眺めていた猫たちは

その一瞬の出来事に目をパチクリさせた後、

歓喜の雄叫びを上げる


ほぉ~っと胸をなでおろすセルヴィティとハルマキャ子

ニヤニヤしているエストラップと、

せっかくだからと駆けつけたラァーフェリーズと共に

ファンファーレを掻き鳴らす





 
 
 

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