勿忘草と秘密
- RICOH RICOH
- 2024年10月29日
- 読了時間: 4分
一方、イザマーレの隣に寄り添うリリエルに、微笑みかける雷帝妃
「ふふっ リリ、喜んで💕私が帝に連れてこられた時に
最初に過ごしたお部屋なの(*´艸`*)」
「え!本当ですか?嬉しい~💕ありがとうございます!」
やり取りを見届けたシセンが、部屋に案内した
「では、何かあればお呼びください。失礼します」
丁寧にお辞儀をして、シセンが立ち去る
部屋の中を興味深く見回していたリリエルは
イザマーレと見つめ合い、微笑む
「閣下💕ありがとうございます
私が生まれ落ちた場所は、きっとこの部屋なのですね」
「おそらくな。礼を言うのは吾輩の方だぞ、リリエル」
「?」
キョトンとするリリエルの髪を撫で、優しく抱きしめる
「この世に生まれ、吾輩の元で咲き続けたお前に感謝している。
ありがとな。勿論これからも、よろしく頼むぞ…」
涙を浮かべて見上げるリリエルに微笑み、そっと口づけを交わす
その時、空気が振動して、部屋に飾られた鏡が光を放ち
途轍もなく立派な龍が威風堂々と姿を現した
「ん?そなたは…」
龍のオーラに、ある事に気づくイザマーレ
「はじめまして。私は、記憶を司る薬草をお守りする
龍一族の長でございます。突然お邪魔しまして、申し訳ありません。」
「! では、あなたが主さん?」
すぐに打ち解けて、話しかけるリリエルに頷き、龍は語り始める
「実は、森の形をした素敵な乗り物の中のやり取りを
こちらで拝見しておりました。そして、思わず
感動で咽び泣いてしまいました。あなた方ご夫妻だったのですね!
わざわざ、お越しいただき、これ以上にない幸せでございます」
龍の言葉に、イザマーレは確信する
「…やはり。そなたは雷神殿の使い龍だな?
雷神殿が乗っている龍雲は、そなたの化身だろう?」
「はい。お恥ずかしながら、帝の専用龍として
長年お仕えしております。帝がお妃様の花の種を
魔界に蒔かれた時も、お供させて貰いました。」
「!!」
龍の言葉に驚くリリエル
「そして…ご夫妻の、あの忌まわしき事件を
片時も忘れたことはありません。だからこそ、
いつかご夫妻のお役に立てるよう、記憶を司る薬草を
お守りしてきたのです」
「…なるほどな。そうであったか」
「はい。ですから、昨夜の貴方様のお言葉に
胸を打たずには居られませんでした。
今、皇太子殿が我が谷で試練に向き合ってる事で御座いましょう。
ですが、貴方様のお言葉を受けた皇太子殿の言動を見る限り、
なんの問題もありません。すぐに薬草をお渡しし、お帰し致します」
「良かった💕それならスプネリア様の記憶も
すぐに戻せますね(*^^*) …でもあの、
龍さんの仰る事がよく分からないのですが…」
龍の言葉に安堵して喜びながら、
口に手を当て、リリエルは首を傾げる
「ん?ああ、お前はその時、寝ていたからな💕」
イザマーレは含み笑いをして、リリエルの髪を撫でる
「(*^艸^)クスクスw お嬢様。御相手様は、
間違いなく王子様で、素敵でしたよ♪」
そんなリリエルが微笑ましく、龍も笑顔で応じる
「…では、谷に戻ります。また後程💕」
「ありがとうございます😊 よろしくお願いしますね」
龍が立ち去り、再び見つめ合う2魔
「私の知らない間に、たくさん御力を
貸して下さったのですね?閣下💕」
「///大した事はしてないぞ。
奴らに発破をかけてやっただけだが…」
照れて目を泳がせるイザマーレに、
嬉しそうに抱きつくリリエル
「…素敵です(*^^*) 閣下💕」
そんなリリエルに微笑み、抱きしめ直すイザマーレ
「スプネリアが落ち着いたら、風帝妃にも会わせてやろうな」
「!!」
驚いて見上げるリリエルの髪を撫で、窓の外を見つめるイザマーレ
「実は風神界は、ここ雷神界からそれほど離れていない。
むしろ、雷神界が内包している世界とも言えるのだ。
せっかくの機会だ。今頃ウエスターレンが、
すで準備を整えているはずだぞ♪」
「そうでしたか♪ 風帝妃様…
お会いしたことないので楽しみです」
ワクワクし始めるリリエルに、含み笑いをするイザマーレ
「会えばすぐに分かるぞ。多少、混乱するかもしれないがな(笑)」
「?」
含みを持たせたイザマーレに、不思議に思い首を傾げるリリエル
「(笑)知りたいか?構わないが、タダでは教えられないな~♪」
「///もう!ここでは駄目ですよ💦
さすがにすぐに殿下も戻ってこられますし///」
「ん?吾輩、お前からのキスだけで良かったのに、
それ以上を期待していたか?
それはそれは…今夜も楽しみだな(笑)」
「!!!?!?! ///////」
この時、副大魔王の手中にまんまと落ちて、
ある秘密を知ったリリエルだった
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