悪魔の指南
- RICOH RICOH
- 2024年10月30日
- 読了時間: 4分
一方、ダイヤが寝ている部屋では…
「ダイヤちゃん?お邪魔するよ?」
ベルデとバサラが入って来た。
驚いてダイヤがベッドから起き上がった
「和尚…それに…参謀まで…」
ダイヤは泣きはらした真っ赤な目をして2魔を見た
「イザマーレとの話、聞いてたよ。リリエルちゃんもね…」
ベルデは優しく微笑んでいた
「どうしたのさ?ダイヤちゃんらしくないじゃないか?
ちょっと悔しかったのかな?」
バサラはダイヤのベッドの縁に座って言った
「気持ちは分かるよ。聞く側になれば
全て否定されたと思うのも。
でもさ…ダイヤちゃんも気が付いてるみたいだけど
敢えて反発しちゃったのかな?」
バサラに言われて苦笑いするしかなかった
「君は最初から分かってたんじゃないの?
このままでは駄目だと。勢いで追放しろとか言っておいて
本当に追放されたら、どうするつもりだったの?
イザマーレなら言霊で一発だよ?イザマーレを本気で怒らせたら
悪いけど僕らには何も出来ないからね?」
ベルデの容赦ない言葉に、驚いて固まるダイヤ
「だいたい…ダイヤちゃんの悪魔化だって、
手助けしたのはイザマーレだけかい?
嫌んなっちゃうね。僕も、かなり協力したはずなんだけど?」
普段、穏やかなベルデの角全開にした静かな怒りに、
ダイヤは初めてハッとする
「そりゃ、僕は悪魔だ。君を生かすも殺すも、簡単な事なんだよ。
それでも僕は、君に生きていてもらいたい。
僕だけじゃないよ。ここに居るみんなが、同じように思ってる。
君がいつもダンケルの側で笑顔でいれるのは
僕や構成員全員が陰ながら応援しているからだよ?
その事を忘れないでほしいな…」
優しく語りかけられダイヤは涙ぐみながら頷いていた
「ほらぁ〜ベルデ言い過ぎ〜!泣いちゃってるじゃないのぉ!」
その場を明るくしようとバサラがダイヤの頭を撫でながら言った
「あ、そうだ…
リリエルちゃんがダンケルの事で怒りMAXだった💦
君を庇ってイザマーレに怒り任せに怒鳴り散らしたからね
ダイヤちゃん。早くダンケルの所へ行った方がいいんじゃない?
相当、困ってるみたいだから(苦笑)」
ベルデの言葉に焦ったダイヤは
部屋から走ってダンケルの元に向かった
その後ろ姿を見送るベルデとバサラ…
「…魔法陣使うのを忘れるくらい焦ってたんだね(苦笑)」
バサラは呆れながらも微笑みながらダイヤを見送っていた
全力で魔宮殿の廊下を突っ走るダイヤ
使用魔も驚き振り返る。ある者は声掛けをするが
全く耳に入っていない様子だった
「陛下ぁ!!」
ダンケルの居る部屋をぶち壊すが如くダイヤが中に入って来た。
息を切らせ肩で息をしていた。
だが既に、構成員と悪魔軍666師団のスタッフ
Lily‘s総出で掻き回し、怒涛の勢いで去っていった後だった
一気に静寂に包まれる
その中で、2魔きりになったダンケルとダイヤ
「…ダイヤ???」
ダンケルの声にやっとダイヤは顔を上げた
「リリエル様は?何処?止めなきゃ💦陛下、大丈夫?
私のせいで…陛下が困ってるって…」
言葉に詰まらせながらダンケルを見て泣いていた
「……私なら大丈夫だが…何で泣いている?」
「私が閣下にろくな事言わなかったから…
陛下が怒って…閣下に…それで…
リリエル様が…怒ったって和尚から聞いて…」
泣きながら言ってるダイヤをダンケルは見つめていた
「…ダイヤ…おいで…」
ダンケルが微笑み両腕を広げる。
ダイヤは飛び込んでダンケルに抱きついた
「…陛下…ごめんなさい…私のせいで……」
オイオイ泣くダイヤにダンケルは微笑んで抱きしめていた
「もう光など追わず私に付いてくればいい。
永遠に守ると言ったであろう?
たとえお前が逃げようとしても連れ戻す。
身も心も全て捧げればよい…」
「…この先も陛下の側に居てもいいの?」
顔を上げてダンケルを見つめる
「当たり前の事を言うでない。
離さないと言ったであろう?だから泣くな…
私はお前が必要なのだ」
ダイヤはダンケルの言葉にやっと笑顔を見せた。
そしてやっと机の上に並ぶおにぎりに気が付く。
「おにぎり…沢山あるね(汗)これ?
リリエル様が怒りMAXで陛下が困ってるって…」
「残すのは良くない…けどな…食えんわ💢あいつは鬼だな!!」
ダンケルとダイヤはケタケタ笑っていた。
ダイヤもおにぎりに手を伸ばし食べ始め
使用魔も呼びリリエルが送りつけたおにぎりは全部食べ終えた
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