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抱き魔クラと欲張り大王


リリエルは、黒ミサツアーの大人気グッズ

イザマーレ閣下の抱き魔クラをぎゅっと抱え込み

すやすやと眠り込んでいた


「誰だ!!あんなもん作ったのは!!」


もちろん、楽屋の中から、

リリエルの様子を把握しているイザマーレは

不機嫌な表情を隠そうともしないが、その寝顔のあどけなさに

その怒りも吹き消されてしまう


(そろそろ起きろよ?始まるぞ♪)


そっと送り届けたイザマーレのテレパシーに反応して

リリエルはムクッと目を覚まし、寝ぼけ眼で起き上がる




うたた寝してるリリエルが可愛くて、

こっそり写真を撮るプルーニャとリリア

スケッチするメーラとムーラン

可愛い❤️と小さな悲鳴をあげて喜ぶLily‘s


プルーニャが本能のままに抱きしめようとするのを、

羽交い締めにして止めるスプネリア


そこにスッとベルデが現れ、黙って手を差し出す

「カメラを渡せ」と無言の圧力…

プルーニャとリリアは目線を合わさず、

ジリジリとLily‘sの後ろに隠れる


イザマーレからの怒りのオーラに、ベルデも引く訳にはいかない

緊張の時間が流れる…


「ん…あれ…和尚も皆も…どうなさったの?」


その時、

イザマーレからのテレパシーを受け取ったリリエルが目を覚まし

ポヤンとした顔で不思議そうに首を傾げる


「//////」



あまりの可愛さに、その場に居た全員がポ~っとなってしまう

すかさずカメラを構えるプルーニャとリリア


その隙を逃さず、カメラを回収するベルデ

取り上げられたショックで落ち込む二人を他のメンバーが慰める


「みんな、客席に行きましょう🎵」


リリエルの声に、ようやく立ち直るプルーニャとリリア




少しだけ眠れたからか、疲れが癒え、

Lily‘sと一緒にご機嫌で客席に向かうリリエル


「うん!顔色もずいぶん良くなったね」

バナトラがリリエルの顔を覗き込み、太鼓判を押す


「ぐっすり眠ってたもんね」

「うんうん。眠ってるリリエル様も可愛いかったですね」


寝顔を見ていたセリーヌとシルバが何度も頷きながら同意する。


「え…やだ…恥ずかしい///」


恥じらうリリエルの姿を見て、また凹むプルーニャとリリア


「あの…どうしてお二人は落ち込んでらっしゃるの?」

二人の様子を見てリリエルは声をかける


「リリエル様の可愛い寝顔が撮れたのに…没収するなんて…

ありえへん…弱いものイジメや(涙)せめてカメラは返して…」

ぶつぶつと呪いのように文句を吐き続けるプルーニャ


「寝起きのお顔も可愛らしかったわ。

絶対にシャッターチャンスは逃していないはず…なのに…」

拳を握りしめながら悔やむリリア



まだ不思議そうに首を傾げるリリエルに

状況説明をし始めるセリーヌ


「二人ともリリエルちゃんの寝顔を激写してたんだけど、

和尚にカメラを取り上げられちゃったの」


「えっ!寝顔を?…それは///」




説明を受けても、まだキョトンとしているリリエル


「魔クラにまで嫉妬してた閣下の怒りのオーラが凄かったから、

和尚も引けなかったのよ」

やれやれとため息を零すセリーヌに、シルバも同調する

「和尚もお辛かったと思います」


状況を振り返り、改めてため息をつくリリアとプルーニャ


「そうそう。ご自分がプリントされてるのに

その魔クラに嫉妬なさってたのよ」


「私達もびっくりしちゃった~」


イザマーレのリリエルに対する執着の強さに

改めて脱帽するバナトラとメーラ


「リリエル様がカバーをつけて、

持ち歩いてるのはご存知なかったのでしょうか…」


いつも一緒に行動しているからこそ知っている事実に

疑問を抱くシルバ


「…!…も、もう…閣下ったら…//////」


ようやく事情を察して、顔を真っ赤にして俯くリリエル


「リリエル様は本当に閣下に愛されてますね」

副大魔王のリリエルに対する留まる事のない愛情に

うっとりするLily‘s


(…//////💦💦)


リリエルは張り付いた笑顔のまま、

抱き魔クラをハンカチサイズに小型化して

ポケットの中にそっと仕舞う




「リリエル様の事を好きなのは私達も同じやのに…

1 万歩譲って画像を取り上げるなら、代償を出しておくれ…」


どうしても納得いかないプルーニャは、尚も文句を言い続けていた

その横でうっすら涙を浮かべたリリアも同意している


「あの…これで良かったらご覧になります?」

ムーランとメーラがそう言ってスケッチブックを差し出す

そこには、可憐なリリエルの寝顔と、

寝起きのぽやんとした姿が描かれていた


「わぁ!素敵」

「本当。あの短時間でこんな素敵な絵を描けるなんて」

「リリエル様の良いところがちゃんと描かれてますね」


それぞれが感想を述べている時、

プルーニャは二人に向かって手を合わせて拝んでいた


「ムーラン様、メーラ様、悪魔界一の絵師様」


「そんな…大袈裟だよ~」

「モデルさんが素敵な方だから、自然に描けたんです」


プルーニャの魂からの感謝の言葉に、

若干引きながらも褒められた事に照れるムーランとメーラ


「ねぇ。この素敵な絵まで没収されたりしないかしら」

ふとした疑問を口にするセリーヌ


「そうね!閣下のあのお怒り具合だったら、これも嫉妬の対象よね」

その時の閣下の嫉妬のオーラを思い出し同意するバナトラ


「これだけは絶対に守り抜いて見せます。」

「シルバ様!なんて心強い!私も共に戦います!」


力強く宣言するシルバに追随するように

拳を振り上げる、プルーニャとリリア




 
 
 

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