抱き魔クラと欲張り大王
- RICOH RICOH
- 2024年10月30日
- 読了時間: 5分
リリエルは、黒ミサツアーの大人気グッズ
イザマーレ閣下の抱き魔クラをぎゅっと抱え込み
すやすやと眠り込んでいた
「誰だ!!あんなもん作ったのは!!」
もちろん、楽屋の中から、
リリエルの様子を把握しているイザマーレは
不機嫌な表情を隠そうともしないが、その寝顔のあどけなさに
その怒りも吹き消されてしまう
(そろそろ起きろよ?始まるぞ♪)
そっと送り届けたイザマーレのテレパシーに反応して
リリエルはムクッと目を覚まし、寝ぼけ眼で起き上がる
うたた寝してるリリエルが可愛くて、
こっそり写真を撮るプルーニャとリリア
スケッチするメーラとムーラン
可愛い❤️と小さな悲鳴をあげて喜ぶLily‘s
プルーニャが本能のままに抱きしめようとするのを、
羽交い締めにして止めるスプネリア
そこにスッとベルデが現れ、黙って手を差し出す
「カメラを渡せ」と無言の圧力…
プルーニャとリリアは目線を合わさず、
ジリジリとLily‘sの後ろに隠れる
イザマーレからの怒りのオーラに、ベルデも引く訳にはいかない
緊張の時間が流れる…
「ん…あれ…和尚も皆も…どうなさったの?」
その時、
イザマーレからのテレパシーを受け取ったリリエルが目を覚まし
ポヤンとした顔で不思議そうに首を傾げる
「//////」
あまりの可愛さに、その場に居た全員がポ~っとなってしまう
すかさずカメラを構えるプルーニャとリリア
その隙を逃さず、カメラを回収するベルデ
取り上げられたショックで落ち込む二人を他のメンバーが慰める
「みんな、客席に行きましょう🎵」
リリエルの声に、ようやく立ち直るプルーニャとリリア
少しだけ眠れたからか、疲れが癒え、
Lily‘sと一緒にご機嫌で客席に向かうリリエル
「うん!顔色もずいぶん良くなったね」
バナトラがリリエルの顔を覗き込み、太鼓判を押す
「ぐっすり眠ってたもんね」
「うんうん。眠ってるリリエル様も可愛いかったですね」
寝顔を見ていたセリーヌとシルバが何度も頷きながら同意する。
「え…やだ…恥ずかしい///」
恥じらうリリエルの姿を見て、また凹むプルーニャとリリア
「あの…どうしてお二人は落ち込んでらっしゃるの?」
二人の様子を見てリリエルは声をかける
「リリエル様の可愛い寝顔が撮れたのに…没収するなんて…
ありえへん…弱いものイジメや(涙)せめてカメラは返して…」
ぶつぶつと呪いのように文句を吐き続けるプルーニャ
「寝起きのお顔も可愛らしかったわ。
絶対にシャッターチャンスは逃していないはず…なのに…」
拳を握りしめながら悔やむリリア
まだ不思議そうに首を傾げるリリエルに
状況説明をし始めるセリーヌ
「二人ともリリエルちゃんの寝顔を激写してたんだけど、
和尚にカメラを取り上げられちゃったの」
「えっ!寝顔を?…それは///」
説明を受けても、まだキョトンとしているリリエル
「魔クラにまで嫉妬してた閣下の怒りのオーラが凄かったから、
和尚も引けなかったのよ」
やれやれとため息を零すセリーヌに、シルバも同調する
「和尚もお辛かったと思います」
状況を振り返り、改めてため息をつくリリアとプルーニャ
「そうそう。ご自分がプリントされてるのに
その魔クラに嫉妬なさってたのよ」
「私達もびっくりしちゃった~」
イザマーレのリリエルに対する執着の強さに
改めて脱帽するバナトラとメーラ
「リリエル様がカバーをつけて、
持ち歩いてるのはご存知なかったのでしょうか…」
いつも一緒に行動しているからこそ知っている事実に
疑問を抱くシルバ
「…!…も、もう…閣下ったら…//////」
ようやく事情を察して、顔を真っ赤にして俯くリリエル
「リリエル様は本当に閣下に愛されてますね」
副大魔王のリリエルに対する留まる事のない愛情に
うっとりするLily‘s
(…//////💦💦)
リリエルは張り付いた笑顔のまま、
抱き魔クラをハンカチサイズに小型化して
ポケットの中にそっと仕舞う
「リリエル様の事を好きなのは私達も同じやのに…
1 万歩譲って画像を取り上げるなら、代償を出しておくれ…」
どうしても納得いかないプルーニャは、尚も文句を言い続けていた
その横でうっすら涙を浮かべたリリアも同意している
「あの…これで良かったらご覧になります?」
ムーランとメーラがそう言ってスケッチブックを差し出す
そこには、可憐なリリエルの寝顔と、
寝起きのぽやんとした姿が描かれていた
「わぁ!素敵」
「本当。あの短時間でこんな素敵な絵を描けるなんて」
「リリエル様の良いところがちゃんと描かれてますね」
それぞれが感想を述べている時、
プルーニャは二人に向かって手を合わせて拝んでいた
「ムーラン様、メーラ様、悪魔界一の絵師様」
「そんな…大袈裟だよ~」
「モデルさんが素敵な方だから、自然に描けたんです」
プルーニャの魂からの感謝の言葉に、
若干引きながらも褒められた事に照れるムーランとメーラ
「ねぇ。この素敵な絵まで没収されたりしないかしら」
ふとした疑問を口にするセリーヌ
「そうね!閣下のあのお怒り具合だったら、これも嫉妬の対象よね」
その時の閣下の嫉妬のオーラを思い出し同意するバナトラ
「これだけは絶対に守り抜いて見せます。」
「シルバ様!なんて心強い!私も共に戦います!」
力強く宣言するシルバに追随するように
拳を振り上げる、プルーニャとリリア
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