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皇太子の戸惑い


少し離れた所で3名のやり取りを見聞きしていたラァードル


その時、扉を消したはずのイザマーレの声がして、

驚いて耳を澄ませる


(ラァードル、もしスプネリアの記憶が

戻らなかった場合はどうする?

今のまま、クヨクヨしながら過ごしていくのか?)


「そんな事はしない!今以上に愛して

守っていくに決まってるじゃん!

スプネリアが抱えてる不安も、丸ごと全部ね!

今は彼女自身が記憶を取り戻したいと強く願っているから

吾輩も力になってやりたいんだ」


力強く答えるラァードル

そして何があってもスプネリアを守り抜く、守ってみせる!と

改めて決意した瞬間だった


だがふっと我に返り、辺りを見回すが、

先程まで傍に居たはずのスプネリアの姿が見えない


「あれ? ねえ、スプネリアは…?」

慌てて彼女の気配を探し始めるラァードルに、

再び、イザマーレのテレパシーが聞こえてきた


(落ち着け、ラァードル。スプネリアの方が、ずっと前向きだぞ?

お前なら分かるはずだ。お前たちの思い出の場所だろ?)


「…!!」





 
 
 

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