花の願い―愛の覚醒―
- RICOH RICOH
- 2024年11月26日
- 読了時間: 2分
「……」
ログハウスの中で、ラディアの骸の前に跪き
涙を流し続けるAnye
構成員たちがその周りで、静かに弔いを捧げる
ダンケルと神の交渉が終わり、Anyeの元に歩み寄るイザマーレ
「たった今、我々がこいつを懲らしめる罪は消え失せた。
後はAnye、お前に任せるぞ」
「…はい…」
瞳いっぱいに涙を浮かべ、
イザマーレの言葉を全身で受け取ったAnye
立ち上がり、呼吸を整える
その時、イザマーレが耳元で囁いた
(大丈夫だ。自分の力を信じろ。畏れるな…)
コクンと頷き、瞳をとじて 息を吐き出す
一瞬の静寂
Anyeの口が開き、静かな旋律が紡ぎ上げられる
いま 私の願いが適うならば 翼が欲しい
空高く 自由に飛び回る 貴女を追いかけて
きっと 捕まえてあげるから
いま 私が翼を手に入れたならば
失った羽根の代わりに
貴女に似合う衣装を作り出して見せる
大切な 一番の親友だから……
…………
……
…
ハタと目を覚ますラディア
「???」
ムクリと起き上がり、辺りを見回す
見た事もない場所だが、肌に触れる空気が懐かしい
「…ん?」
ポリポリと頭を掻きながら立ち上がろうとして驚いた
真っ黒な衣服。腰まであった長い金髪が
やはり真っ黒になり、肩まで切りそろえられている
「…ち、ちょっと…何これ!! まるでAnyeじゃない…💦
私に似合うわけないっての……💦💦」
突如、騒ぎ始めたラディアの声に、窓の外から覗き込む
低級魔と鬼たち…
目覚めたラディアの様子を見届けつつ
局員たちに細やかに指示を出していくウエスターレン
「やれやれ…これで良かったのか?ダンケル」
「イザマーレにも出来たのだ。
たまには私も……『追いかけっこ』などというものを
してみようかと思ってな…案外、面白い逸材かもしれんぞ♪」
密かに闘志を燃やし始めた闇の大魔王…
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