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虎の子2 学生時代編


さて。何事にも全身全霊で勤勉にこなすシューゾウは

文武ともに成長著しく、魔界小学校に通う頃には、

最高魔イザマーレ族に交じり、高度な授業を受けさせても遜色のない

優秀な学生になっていく


勉学についてはベルデに、

情報収集力と警備力はウエスターレンに

貴族との付き合い方はラァードルに

音楽はセルダを筆頭に最高魔軍の全構成員に…


贅沢な英才教育を施されるシューゾウ

型にはまらない性格故、低級魔とも付き合いを広く持ち、

いつしか、細かい情報まで仕入れてくるようになる


だが、繊細なタッチを要求するギターは苦手で、

セルダからも<ギターは不向き>との烙印を押されてしまう


「女心とギターは繊細なんだよ。まずはそこを理解しないと。

じゃあ、この麗しい俺が教えてあげよう♪」

颯爽と麗しい姿を振り撒くバサラだが…


「俺には心に決めた方がいるので、大丈夫です。

参謀も、もう少し落ち着かれた方が良いですよ」

毅然と言い返すだけでなく、説教までのたまうシューゾウ


「なんなの、あいつ…セルダ、ちゃんと教育しなよ」


ため息をついて項垂れるバサラに、ニヤつくセルダ


「ちゃんと教育してるから、閣下にも認めて貰えたじゃんね。

あいつはリリエルちゃんしか見てないんよ。バサラ、余計な事言わんで」


続いてドラム講座でも、ラァードルから<ドラムの才能無し>と

告げられてしまう。音楽の道は敢え無く諦め

悔しさを嚙み締めながら、ひたすら走り込みをするシューゾウ




小学校の帰り道………


「シューゾウ、今日一緒に帰ろう」

「ごめんね。ちょっと寄るところがあるから」

「またぁ?」


クラスメートたちの呆れ顔を余所に、屋敷へ向かうシューゾウ

ピンポーン

「リリエル様、こんにちは。ご機嫌麗しく…

僕の作文がコンクールで優勝しました。

リリエル様への想いを書いたんです。良かったら読んで下さい」


しれっとラブレターを渡すシューゾウ


「まあ…私、ラブレターなんか、これまで貰った事なかったかも(笑)

シューゾウくん、いつもありがとね」


そんな風に受け流し、部屋の中で楽しく読もうとするが

なぜか文字が反転して解読不可能になるのだ



 
 
 

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