虎の子2 学生時代編
- RICOH RICOH
- 2024年11月17日
- 読了時間: 2分
さて。何事にも全身全霊で勤勉にこなすシューゾウは
文武ともに成長著しく、魔界小学校に通う頃には、
最高魔イザマーレ族に交じり、高度な授業を受けさせても遜色のない
優秀な学生になっていく
勉学についてはベルデに、
情報収集力と警備力はウエスターレンに
貴族との付き合い方はラァードルに
音楽はセルダを筆頭に最高魔軍の全構成員に…
贅沢な英才教育を施されるシューゾウ
型にはまらない性格故、低級魔とも付き合いを広く持ち、
いつしか、細かい情報まで仕入れてくるようになる
だが、繊細なタッチを要求するギターは苦手で、
セルダからも<ギターは不向き>との烙印を押されてしまう
「女心とギターは繊細なんだよ。まずはそこを理解しないと。
じゃあ、この麗しい俺が教えてあげよう♪」
颯爽と麗しい姿を振り撒くバサラだが…
「俺には心に決めた方がいるので、大丈夫です。
参謀も、もう少し落ち着かれた方が良いですよ」
毅然と言い返すだけでなく、説教までのたまうシューゾウ
「なんなの、あいつ…セルダ、ちゃんと教育しなよ」
ため息をついて項垂れるバサラに、ニヤつくセルダ
「ちゃんと教育してるから、閣下にも認めて貰えたじゃんね。
あいつはリリエルちゃんしか見てないんよ。バサラ、余計な事言わんで」
続いてドラム講座でも、ラァードルから<ドラムの才能無し>と
告げられてしまう。音楽の道は敢え無く諦め
悔しさを嚙み締めながら、ひたすら走り込みをするシューゾウ
小学校の帰り道………
「シューゾウ、今日一緒に帰ろう」
「ごめんね。ちょっと寄るところがあるから」
「またぁ?」
クラスメートたちの呆れ顔を余所に、屋敷へ向かうシューゾウ
ピンポーン
「リリエル様、こんにちは。ご機嫌麗しく…
僕の作文がコンクールで優勝しました。
リリエル様への想いを書いたんです。良かったら読んで下さい」
しれっとラブレターを渡すシューゾウ
「まあ…私、ラブレターなんか、これまで貰った事なかったかも(笑)
シューゾウくん、いつもありがとね」
そんな風に受け流し、部屋の中で楽しく読もうとするが
なぜか文字が反転して解読不可能になるのだ
コメント