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虎の子3 プエブロドラド編


とある休日


シューゾウを連れて、Lily‘sのお茶会に参加したプルーニャ


会場となったプエブロドラドのレストランに入っていくと、

皆が笑顔で迎えてくれる。ちょっとした王子様扱いだ


当の本悪魔はオルドとエレジアの側に走って行き

料理について色々質問している


「シューゾウはスパダリを目指してるの?」

「料理も繊細だけど、大丈夫なのかな」

料理を取り分けながら、首を傾げる ムーランとリリア


「キャンプ飯とかの方が合ってそうだよね~」

ニヤつくセリーヌ


それぞれが感想を言い合っていると、

今日の料理の授業を終えたシューゾウが席に着く。




「シューゾウはさ、なんで料理を習ってるの?」

「リリエル様に食べて頂くためです」


花蓮光の問いに即答するシューゾウ


「リリエル様もお料理上手だから、

そんなに勉強しなくても良いんじゃない?」


感心しつつも、呆れるダイヤは

なるべく野菜を押しやりながら、モグモグしつつ切り返す


「リリエル様の手料理は本当に美味しいです

いつも食べてる閣下が羨ましいです」


シューゾウの言葉に、リリアとムーランも思わず笑顔で頷く


「…毎回、厚かましく戴いてるけど

ほんまは、閣下や長官しか食べられないんよ💦」


恐縮するプルーニャに、状況を想像して気絶しそうになっている花蓮光

気がついたスプネリアが慌てて介抱している


シューゾウは、プルーニャには返答せずジュースを飲みながら呟く

「いつか僕が作った料理を食べて貰いたいです」


そこへ、お茶を片手にエレジアが近付いてきた


「エレジア様!僕の料理の腕前はどうですか?」


「え…💦うん…そうだね…それぞれに得意な分野があるから…」


「エレジア様、はっきり言ってあげた方が良いんじゃない?」


勢いづいて畳み掛けるシューゾウに、やや困惑気味のエレジア

見かねたセリーヌが助け舟を出す


「…お、おう。シューゾウくん。君は料理よりスポーツの方が向いてると思うよ」


エレジアの下した判断に、しょぼんと肩を落とすシューゾウ




「落ち込まんでも大丈夫やで。

シューゾウはほんまにスポーツ万能なんやから、そこを伸ばしていこう」


落ち込んでいると思い、励ますプルーニャを恨めしく睨むシューゾウ


「おかん…うん。僕の細かい事が出来ないのは、おかんに似たんだね」


「どういう意味や💢」


途端に激しく突っ込むプルーニャ


「まぁまぁ、プルーニャさん。落ち着いて…💦」

慌てて宥める花蓮光とダイヤ


そこに、プエブロドラドで任務に当たっていたウエスターレンが顔を出した

ウエスターレンを見た途端に駆け寄り、礼儀正しく話しかけるシューゾウ


「長官!!あの…いつもリリエル様のお傍に居られて羨ましいです!!

どうしたら、振り向いてもらえるでしょうか?!」


そんな不遜なシューゾウに、ウエスターレンは八重歯を見せてニヤつく


「まあ…不可能なんだろうがなあ(笑)

だが、少なくとも嫌われないためには、イザマーレの事を敬うことかな」


思いもしなかったウエスターレンの言葉に固まり

目を丸くするシューゾウ


「…イザマーレ閣下はリリエル様の愛する方……

その方を……崇めよと……」


副大魔王イザマーレの事はもちろん尊敬しているのだが、

同時に愛するリリエルに立ちはだかる巨大な壁…


そんなシューゾウの戸惑いを見逃さず、

ウエスターレンは更に眼光鋭く睨み付ける


「だが、表面だけ繕うだけでは何の意味もない。

そんな事してみろ。なぎ倒されるぞ♪」


思春期・シューゾウくん…

星空を見上げながら悩む




翌週、成績優秀者のみ参加できる社会見学で

魔宮殿へ見学に行ったシューゾウ


そこで禍々しい程のオーラを纏う大魔王ダンケルと、

ダンケルの右腕として威風堂々と公務につくイザマーレの姿を見て

衝撃を受ける


これまで目にしたイザマーレとは違い、

何十倍にも大きく、凛々しく雄々しく見えるその姿に

言葉を失くし、立ちすくんでいた





 
 
 

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