虎の子3 プエブロドラド編
- RICOH RICOH
- 2024年11月17日
- 読了時間: 4分
とある休日
シューゾウを連れて、Lily‘sのお茶会に参加したプルーニャ
会場となったプエブロドラドのレストランに入っていくと、
皆が笑顔で迎えてくれる。ちょっとした王子様扱いだ
当の本悪魔はオルドとエレジアの側に走って行き
料理について色々質問している
「シューゾウはスパダリを目指してるの?」
「料理も繊細だけど、大丈夫なのかな」
料理を取り分けながら、首を傾げる ムーランとリリア
「キャンプ飯とかの方が合ってそうだよね~」
ニヤつくセリーヌ
それぞれが感想を言い合っていると、
今日の料理の授業を終えたシューゾウが席に着く。
「シューゾウはさ、なんで料理を習ってるの?」
「リリエル様に食べて頂くためです」
花蓮光の問いに即答するシューゾウ
「リリエル様もお料理上手だから、
そんなに勉強しなくても良いんじゃない?」
感心しつつも、呆れるダイヤは
なるべく野菜を押しやりながら、モグモグしつつ切り返す
「リリエル様の手料理は本当に美味しいです
いつも食べてる閣下が羨ましいです」
シューゾウの言葉に、リリアとムーランも思わず笑顔で頷く
「…毎回、厚かましく戴いてるけど
ほんまは、閣下や長官しか食べられないんよ💦」
恐縮するプルーニャに、状況を想像して気絶しそうになっている花蓮光
気がついたスプネリアが慌てて介抱している
シューゾウは、プルーニャには返答せずジュースを飲みながら呟く
「いつか僕が作った料理を食べて貰いたいです」
そこへ、お茶を片手にエレジアが近付いてきた
「エレジア様!僕の料理の腕前はどうですか?」
「え…💦うん…そうだね…それぞれに得意な分野があるから…」
「エレジア様、はっきり言ってあげた方が良いんじゃない?」
勢いづいて畳み掛けるシューゾウに、やや困惑気味のエレジア
見かねたセリーヌが助け舟を出す
「…お、おう。シューゾウくん。君は料理よりスポーツの方が向いてると思うよ」
エレジアの下した判断に、しょぼんと肩を落とすシューゾウ
「落ち込まんでも大丈夫やで。
シューゾウはほんまにスポーツ万能なんやから、そこを伸ばしていこう」
落ち込んでいると思い、励ますプルーニャを恨めしく睨むシューゾウ
「おかん…うん。僕の細かい事が出来ないのは、おかんに似たんだね」
「どういう意味や💢」
途端に激しく突っ込むプルーニャ
「まぁまぁ、プルーニャさん。落ち着いて…💦」
慌てて宥める花蓮光とダイヤ
そこに、プエブロドラドで任務に当たっていたウエスターレンが顔を出した
ウエスターレンを見た途端に駆け寄り、礼儀正しく話しかけるシューゾウ
「長官!!あの…いつもリリエル様のお傍に居られて羨ましいです!!
どうしたら、振り向いてもらえるでしょうか?!」
そんな不遜なシューゾウに、ウエスターレンは八重歯を見せてニヤつく
「まあ…不可能なんだろうがなあ(笑)
だが、少なくとも嫌われないためには、イザマーレの事を敬うことかな」
思いもしなかったウエスターレンの言葉に固まり
目を丸くするシューゾウ
「…イザマーレ閣下はリリエル様の愛する方……
その方を……崇めよと……」
副大魔王イザマーレの事はもちろん尊敬しているのだが、
同時に愛するリリエルに立ちはだかる巨大な壁…
そんなシューゾウの戸惑いを見逃さず、
ウエスターレンは更に眼光鋭く睨み付ける
「だが、表面だけ繕うだけでは何の意味もない。
そんな事してみろ。なぎ倒されるぞ♪」
思春期・シューゾウくん…
星空を見上げながら悩む
翌週、成績優秀者のみ参加できる社会見学で
魔宮殿へ見学に行ったシューゾウ
そこで禍々しい程のオーラを纏う大魔王ダンケルと、
ダンケルの右腕として威風堂々と公務につくイザマーレの姿を見て
衝撃を受ける
これまで目にしたイザマーレとは違い、
何十倍にも大きく、凛々しく雄々しく見えるその姿に
言葉を失くし、立ちすくんでいた
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