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虎の子6 新たな魔法


リリエルに認めてもらえる自分になりたい…

その思いだけで、走り込みや筋力トレーニングを

ひたすら繰り返すシューゾウ


最初は興味本位で眺めていた低級魔たちも

純粋な彼のひたむきさに、思わず声をかける


「お前なんなの!?」

「お妃様が好きなの?……へえ…気が合うな💕」


「僕はリリエル様に関わる全ての方を愛してます💕

ささ、皆さ魔も僕と一緒に運動しませんか?

体力増強に繋がりますし、気持ちが良いですよ!!」


「!! マジか。…そしたら副大魔王様にも褒めてもらえるな」

「うんうん…おい、お前、やり方を教えろよ」


いつの間にか、巻き込まれた低級魔の足腰も鍛えられ

軍備力も上がっていく


「…ほお。単なる迷惑モノとは言えないな。

ま、さすが、誰かさんに惚れ込む程の輩だ。

それなりの器量を持ち合わせている、という事だ」


無償の愛に囚われた呪縛の影響なのか、はたまた、純粋な恋心なのか…


いずれにしても、魔界の空気がどんどん穏やかに

塗り替えられていく様を感じ取りながら、イザマーレは静かに微笑む


手元には、ダンケルから受け取ったばかりの誓約書

魔界学校教育卒業にあたり、

今後の適性を見定める為のイベント開催の通知だ


「…奴にとっての晴れ舞台。大いに盛り上げてやろうな…♪」

タブレットで人間界の屋敷に向けて送信する。


―イベント当日の衣装の特注と、当日参加許可証明書―




 
 
 

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