黒薔薇の誓い
- RICOH RICOH
- 2024年10月30日
- 読了時間: 3分
黒ミサ会場外で―
夕闇が迫り、紺碧に染まる空の下
いつものように姿を現した、全身黒装束の男性
周りにはその男性の放つ特殊なオーラに興味を惹かれながら
遠巻きで眺めている信者たち
黒装束の男性の前に近づくダイヤ
「今日も来ていたんだね」
ダイヤに気が付き、笑顔で話しかけてくる
「……あの…今まで考えもせずに突っ走った事…ごめんなさい。
気持ちすら分からずに…迷惑ばかり掛けちゃってた…」
しょんぼりしなから話すダイヤ
「…何の事?」
わざと不思議そうに聞いてくる男性。
ダイヤは何を言われても覚悟が出来ていた
会話が嚙み合っていないのも構わず、話を続ける
「…でも、ミサでお会いした時は
今まで通り、お仲魔として接して貰いたい。
大切なお仲魔様として…」
ミカエルは視線を離さず見ていた
「…今後の行い次第だな。こっちの世界でも…」
ダイヤに微笑み、ミカエルはその場を後にした
ダイヤはその後ダンケルに連れられ
イザマーレに会いに行った
「用件は何だ?」
「…意地っ張りな事を言ってごめんなさい😢
陛下の側にも魔界にも、ずっと居たいです
今までの事、反省しています。もう馬鹿な行動はしません💦」
涙を溜めてしょんぼりしているダイヤ
「ほほぅ…ではリリエルにも近付かないって事だな?」
イザマーレはニヤッと笑っていた
「リリエル様の傍にいさせてください💦離れたくないんです😭
大好きなミサにも参拝させて下さい!!お願いします😭😭💦」
ダイヤは泣き泣き訴えた
「…今回の事でよく分かっただろ?
出来もしないことを簡単に言うんじゃない
そのうち、本当に取り返しのつかないことになるぞ。」
イザマーレに言われ、時が止まり血の気が引くのが分かる。
「リリエルと同じ魂の片割れではないと言われることが
そんなに腹を立てる事なのか?当たり前の事だろ?
リリエルの幻影に怯えず、ダイヤとして生きて行けと
何度も伝えていたはずだが。」
ダイヤはへこみつつ頷いた。
「ま、お前の早とちりと甘ったれなど、
今に始まった事じゃないけどな。
だが今回は、リリエルに感謝しろよ?
吾輩が少しでもイラっとしていたら、
どうなっていたか分からんぞ?」
ひきつった表情を浮かべるダイヤに
イザマーレは呆れつつニヤッと笑う
「リリエルも会場に来ている。一緒にミサを楽しんで来い」
イザマーレの言葉に、やっと笑顔になり
その場を後にしようとした…その時
「イザマーレも俺様さえも禁欲中だってのに
お前だけリリエルの傍にってか?いい身分だなあ、おい」
目を細めて、わざと睨み付けてくるウエスターレンの言葉に
再度、震えて固まるダイヤ。
「あ、ああ!!すみません
そうだ、ケーキ…ありがとうございました
あの、陛下と私で、リリエル様のおにぎりは
なんとか食べきったのですが、ケーキまでお腹に入らなくて
Lily‘sの皆さんと食べたいな~って…(^-^;」
ひきつりながら、必死に言い繕うダイヤの様子を
出入口付近からじーーーーーっと眺めて
ニヤニヤしているLily‘s
会場の外まで一緒に居たはずのリリエルの様子が気になり
ふいに辺りを探し始めるLily‘s
禁欲生活のあおりを受け、
これまで一睡もしていなかったリリエルは
近くのベンチにポツンと座ったままだった
「リリエルちゃん?…ごめんね、
ダイヤちゃんが気になって楽屋を覗きに行ってたから…💦」
「??…り、リリエル様…?」
置いてきぼりにしていたのかと焦り、
駆け寄ってキョトンとするLily‘s
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